配分額 *注記 |
3,140千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
1.粉砕攪拌で結晶のカイラル対称性の完全な破れが実現できるだけでなく,同様な方法によって分子のカイラリティが転換できるという注目すべき実験が報告された.カイラル対称な分子についてのわれわれのモデルは,溶液中でカイラルな分子のラセミ化が起きる場合にも拡張して,この機構を説明できる.このモデルの解析から,粉砕攪拌強度に緩和時間が反比例すること,不安定平衡であるラセミ固定点の状態から最終のホモカイラルな状態に移ると単分子濃度が低下すること,ラセミ化が遅い場合には一時的に優勢種単分子の濃度が増大することなどを見出した.今後,クラスター分布の発展を調べ,この機構の全貌を探る. 2.過飽和度が大きい場合のBecker-Doeringモデルの数値シミュレーション結果の考察から,自由度を減らした簡単なモデルを作った.これによって単分子密度の時間変化が簡単に計算でき,数値計算が不可能な低下飽和度の場合でも系の時間発展を予想できる. 3.ヘテロエピタキシャル成長においては,しばしば吸着物結晶の並進対称性を破るミスフィット転位が導入される.転位を含んだ2次元格子モデルを構築し弾性エネルギーを計算することで,転位間相互作用の詳細と転位間の最適距離を決めることができた.また表面に島ができる場合の計算から成長モードの予想を行い,いろいろな実験結果の統一的理解を可能にした. 4.si(111)面の1x1構造と7x7構造の転移温度付近やSi(001)微斜面ではステップの両側の表面構造が異なる.この表面の通電加熱で吸着原子のドリフトが起こり,これが微斜面ステップの蛇行やバンチングを起こす機構を明らかにした. 5.SrTiO_3微斜面での表面ステップパターン緩和の実験とモンテカルロシミュレーションを比較し,ステップ端エネルギー障壁の存在によって,穴と島の非対称性が説明できることを示した.
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