研究課題
基盤研究(C)
半導体中の不純物準位を利用したテラヘルツレーザの開発を目的とした研究であったが、PドープしたSiについては試料をベルリンのグループから提供され、発振を確認したが、TeをドープしたGeについては発振は確認できなかった。その原因を追求するため赤外の光伝導の実験を自由電子レーザとFTIRを用いて行ない不純物準位に関係したいくつかのピークを観測した。自由電子レーザを用いた実験では90meV付近からの立ち上がりと120meV,160meV付近にピークが見られこれらのピークをフォノンを伴った励起状態と伝導帯の間のFano共鳴として説明し、ウィーンで18年7月に開催された半導体物理学国際会議で口頭発表するとともに、18年9月に上海で行なわれた赤外とミリ波国際会議で招待講演をおこなった。しかしながらロシアのグループからFano共鳴として解釈したピークはホットエレクトロンがフォノンを放出する過程を観測しているのではないかというコメントがあった。このことを確認するために自由電子レーザよりはるかに強度が弱い通常のFTIRの実験を筑波の物質材料機構で行ない、自由電子レーザによる測定結果とは非常に異なる結果を得た。この結果は18年12月に大阪市大で行なわれた光物性研究会と19年3月に鹿児島で行なわれた物理学会で発表した。この2つのデータの違いからロシアのグループのコメントが正しく、自由電子レーザの実験はホットエレクトロン、FTIRの実験はFano共鳴が観測されていると思われる。FTIRのスペクトルは非常に複雑で、現在のところかなりはっきりとしている結論の一つはGe中のTeに束縛された2つの電子が同時に脱離する過程が観測されている。大きな疑問はピーク強度の温度変化が激しく90meVという第一イオン化エネルギーでは説明できない点である。今のところTeドナーにもう一つ電子が束縛されたD^-センターが観測されている可能性がある。このことについては19年4月にも実験を行ない原因を追求している。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (9件)
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