研究課題/領域番号 |
17540307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
那須 奎一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (90114595)
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研究分担者 |
富田 憲一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (70290848)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | SrTiO_3 / KTaO_3 / 超常誘電性 / ラージ・ポーラロン / シュミレーション / 非平衡相転移 / ソフト・フォノン / 3次元ペロブスカイト / KTaO3 / シミュレーション / 3次元ペロブスカイ / 光誘起相転移 / 数値シュミレーション / SrTiO3 |
研究概要 |
SrTiO_3やKTaO_3等の3次元ペロブスカイにおいて、・最近・発見された光誘起「超常誘電性」相転移を対象にして、これまでとは全く異なる、新しい非線形ポーラロン理論に基づき、大規模数値シュミレーションを実行し、この非平衡相転移の微視的機構を理論的に解明した。 この光誘起「超常誘電性」相転移に関し、現段階までに観測されている事実は、以下の4点である。(a) 4eV付近の紫外光で線形励起すると、これらの物質の準静的誘電率は103〜104程度、巨視的に増大する。(b) 酸素の2P軌道から、金属カチオン(Ti^<4+>、Ta^<5+>)の3d軌道へ、電子が光励起され、同時に金属カチオンの周囲の空間反転対称性は、巨視的に消失する。(c)但し、完全な強誘電的長距離秩序が実際に凍結して現れるには到らない。(d)更に、光励起と同時に、高い移動度を有する負の荷電担体が発生し、この物質の電気伝導度は急激に増大する。 これらの状況から、本研究では、光で生成した3d伝導帯電子が、この物質に固有の、双極子モーメントを有する強誘電型ソフト(TO)・フォノンと、線形ではなく、2次で非線形に結合し、超常誘電性ラージ・ポーラロンを形成すると考えた。このラージ・ポーラロンは、言い換えれば、電子を内包し、不断に揺動しつつ伝導する強誘電性分域(ドメイン)でもある。従って、本研究では、この超常誘電性ラージ・ポーラロン理論により、大規模数値シュミレーションを実行し、この非平衡相転移の微視的機構を理論的に解明した。この理論による計算結果は、上記実験結果ともよく整合する。
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