研究課題/領域番号 |
17540314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 雄介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20261547)
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研究分担者 |
KATO Yusuke the University of Tokyo, Graduate School of Arts and Science, Associate Professor (20261547)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 超伝導 / 超流動 / 量子渦 / 不純物効果 / アンデレーエフ束縛状態 / 局所状態密度 / 量子効果 / 異方的超伝導 / 渦糸 / 電子状態 / 準古典理論 / 走査型トンネル分光 / アイレンバーガー方程式 / 準古典近似 / STM / 分数渦 / ピン止め |
研究概要 |
時間反転対称性をもつ超伝導渦における不純物効果を調べるために、不純物効果とギャップ方程式の両方を自己無撞着に数値的に解き、超伝導渦まわりのエネルギーギャップの空間依存性の温度変化を調べた。その結果、カイラルP波超伝導体における渦糸まわりでは不純物効果が効かず、渦半径の収縮効果(Kramer-Pesch効果)が極低温まで観測され得ることを理論的に示すことが出来た.これは参照のために行ったS波超伝導渦におけるKramer-Pesch効果が、不純物散乱のために低温ではぼやけてしまうのと対照的である。カイラルP波超伝導体はSr2RuO4で実現していると考えられる。またKramer-Pesch効果は、渦糸周りの電流分布をミューオンスピン緩和法で測定することによって観測され得る。本研究によって時間反転対称性をもつ超伝導渦の特異な性質のひとつが見出され、かつその実験的検証も提案されたことになる。 時間反転対称性をもつ渦糸に対する不純物散乱効果を調べる際の関連テーマとして超流動ボース系における散乱問題に取り組み、異常トンネル効果と呼ばれる低エネルギー粒子に対するトンネル効果を調べた。その結果トンネルバリアーの詳細によらず超流動凝縮体の上の励起粒子は、低エネルギー極限で完全透過することを示した。類似の現象は、バルクのS波超伝導体における非磁性不純物効果や本研究課題のテーマである時間反転対称性をもつ超伝導渦における不純物効果でも見られており、不純物に対する特異な現象は、時間反転対称性をもつ量子凝縮系に普遍的な現象であることが強く示唆される。
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