研究課題
基盤研究(C)
1. コバルト酸化物Na_xCoO_2の超伝導の起源が特異なバンド構造から生まれるスピンの揺らぎと電荷揺らぎが協力して生じるものであることを提案し、また、この特異なバンド構造に起因するフェルミ面のネスティングが、水を挿入していない場合の磁性の起源にもなっていることをつきとめた。さらにこの物質の特異なバンド形状(プリン型バンド形状)が大熱起電力と小電気抵抗両立、すなわち大きな電力因子の起源であることを示した。これにより超伝導・磁性・熱電効果という興味深い三つの現象が統一的に理解できたことになる。2. Pr_2Ba_4Cu_7O_<15-δ>のに対して、第一原理バンド計算をもとにした微視的模型を構築し、揺らぎ交換近似を用いて超伝導の可能性を調べた。その結果、複数のフェルミ面間のネスティングに起因したスピンの揺らぎを媒介として、非従来型超伝導が起こることがわかった。また、電荷揺らぎを引き起こす最隣接相互作用の効果により、実験的に得られているTのδ依存性が理解できることもわかった。さらに揺らぎ交換近似の結果の妥当性を検証するために量子モンテカルロ法による計算を行った。その結果、quarter-filled近傍では揺らぎ交換の結果と整合する結果が得られる一方、half-filled近傍ではモット転移に近づくことによる明確な差異が見いだされた。3. 有機超伝導体(TMTSF)_2Xにおけるスピン・電荷揺らぎ共存によるスピン・トリプレットf波超伝導の可能性を提唱した。また、磁場下におけるシングレット・トリプレット超伝導の競合を議論し、スピン揺らぎ・電荷揺らぎ共存によるトリプレット超伝導に特有の大きな増大があることを示した。
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