研究課題/領域番号 |
17540323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 義明 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60262846)
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研究分担者 |
佐藤 正俊 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (40092225)
安井 幸夫 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (80345850)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Na_xCoO_2・yH_O / NMRナイトシフト / 核電気四重極共鳴(NQR) / 超伝導電子対 / 核磁気緩和率 / Na_<0.5>CoO_2 / 中性子散乱 / 電荷秩序 / Na_xCoO_2・yH_2O / Na_<0.3>CoO_2・1.3H_2O / ナイトシフト / T_cへの不純物効果 / 反強磁性 / 中性子回折 |
研究概要 |
1.(1)水和コバルト酸化物Na_xCoO_2・yH_2Oの超伝導状態におけるスピン磁化率の異方性に関して確固たるデータを提供した。(2)Na_xCoO_2・yH_2Oにおいて温度Tとコバルト核電気四重極共鳴周波数v_Qによる相図を完成させ、相図中の超伝導相に隣接する非超伝導相の性質を明らかにした。2.超伝導体の母物質Na_xCoO_2(x=0.3〜0.7)においてその磁気特性を明らかにした。これらはコバルト酸化物の超伝導電子対形成の議論に関わる極めて重要なデータとなっている。 1.Na_xCoO_2・yH_2Oの単結晶試料を用いて、超伝導状態におけるCo核NMRナイトシフトの測定を行った。CoO_2面に対して磁場を平行、垂直の両方向において曖昧さのないデータを得て、超伝導電子対がスピンシングレット状態にあることを明らかにした。また超伝導体の超伝導転移温度T_cはCo核電気四重極共鳴周波数v_Qに対して系統的な依存性を示し、T-v_Q相図上で超伝導相はv_Q=4.02から4.32MHzの広い範囲にあり、これを二つに分けるように4.20MHz近傍で非超伝導相が存在することがわかった。この非超伝導相が電荷秩序相であることを実験的に明らかにし、この電荷秩序相近傍のv_Q領域でT_cは高くなることから、超伝導が磁気秩序相近くで発生している可能性を否定した。 2.Na_xCoO_2でx=0.5は87K(T_<cl>)と53K(T_<c2>)で相転移を示す。Co-NMR、中性子散乱実験からT_<cl>より低温の反強磁性相の特異な磁気構造を決定した。金属-絶縁体転移であるT_<cl>でCo核磁気緩和率1/T_1がピークを形成することから、T_<cl>で磁気秩序状態に変化があると考えられる。そこで磁気モーメントに大きな変化が見えないことを結論付けた。また、様々なxをもつNa_xCoO_2に対するCo核1/T_<cl>や磁化率の温度変化からx<0.6領域の磁性は炉0.5と同様であることがわかった。
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