研究課題
基盤研究(C)
測定装置を改良し、NpRhGa5の精密な強磁場磁化測定と、NpO_2とその参照物質なるUO_2の強磁場磁化測定を行った。Sigma90というメインの測定装置は大変高価で本研究では購入出来なかったが、本研究費をも用いて強磁場磁化測定装置の改良を行い、データーの飛躍的なクオリティの高い磁化過程の測定が可能になった。NpRhGa_5では磁化測定の精密な温度依存性を測ることで磁場-温度相図を完成した。その結果、低温低磁場下で安定な、[110]軸に磁気容易軸を持った大きな磁気異方性のある磁気モーメントが、強磁場中や温度上昇により、モーメントが小さく磁気異方性の小さい状態に1次の相転移で変わることが明らかになった。この低温での状態は倉本・Kissらによって四極子モーメント問の相互作用が重要だと指摘されており、f電子が局在的であると考えると自然に理解できる。一方、1K以下のドハース・ファンアルフェン効果でこの物質のf電子が遍歴であるというの結果と照らし合わせると、ネプツニウムの磁性が局在、遍歴と簡単に区別できる物ではなく、慎重に考えなければいけないことを示しており、とても重要な結果だと思われる。NpO_2の磁化過程は、最低温度、ネール点直下ともほぼ直線磁化を示し、Npイオン間の磁気相関が非常に強いことを示唆している。これらの結果は、強相関電子系の国際会議(ウイーン)、阪大国際フォーラム(ハノイ)、強磁場国際シンポジウム(仙台)、磁気国際会議(京都)、日本物理学会(京都、千葉、愛媛、鹿児島)などで発表し、特に磁気国際会議では会議中の数少ない口頭発表に選ばれた。
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Journal of Magnetism & Magnetic Materials 310
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Journal of Magnetism & Magnetic Materials 310(印刷中)
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