研究課題/領域番号 |
17540331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
日高 雅子 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (00264094)
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研究分担者 |
河江 達也 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (30253503)
井戸垣 俊弘 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (40038013)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | スピンギャップ / 1次元ハイゼンベルグ系 / 反強磁性交替鎖 / 極低温・磁場中測定 / 磁場誘起相転移 / 朝永-ラッティンジャー液体 / F_5PNN / DMACuCl_3 / 一次元ハイゼンベルグ系 / 極低温・磁場中比熱測定 |
研究概要 |
磁気異方性のない典型的なスピンギャップ系であるスピンS=1/2一次元ハイゼンベルグ反強磁性交替鎖pentafulorophenyl nitronyl nitroxide(F_5PNN)と、二つの臨界磁場領域を持つという特徴的な磁気特性を示す(CH_3)_2NH_2GuCl_3(DMACuCl_3)という二種類の物質を用い、スピンギャップ系の磁場誘起相転移の機構解明と、朝永-ラッティンジャー液体(TL液体)を目指し実験を行った。 F_5PNNにおいて極低温・磁場中比熱測定よりそのギャップ磁場はH=3T、飽和磁場はH=6.5Tであることを明らかにした。また臨界磁場領域(3T≦H≦6.5T)では7=250mK以下の極低温で磁場誘起秩序が出現することを見出した。磁場誘起秩序相より高温側における全磁場領域の比熱が、同じく磁気異方性のないスピンギャップ系である一次元スピン梯子磁性体における理論計算と定性的に一致することを示し、一連の振舞がスピンギャップ系に普遍的なものであることを初めて実験的に示した。さらに、比熱のブロードピークが見られた磁場・温度領域において、NMR緩和率ではTL液体の出現を示唆する幕異常・が観測されていることを示し、ブロードピークがTL液体に関連した低エネルギー励起に起因する可能性があること示した。 DMACuGl_3ではギャップ磁場領域(2 T≦H<3.5 T)における比熱には、二つの緩やかな極大が現れること、それより低磁場(H<2 T)および高磁場領域(H≧3.5 T)においては、磁気秩序を示唆する鋭いピークが見られることを示した。ギャップ領域の比熱は、理論計算との比較を行うことにより、強磁性(F)ダイマーと反強磁性(AF)ダイマーが弱い反強磁性相互作用で結合しながら交互に並ぶという、特異な一次元鎖モデルによって説明できることを明らかにした。
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