研究課題/領域番号 |
17540379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
三沢 正勝 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80005941)
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研究分担者 |
丸山 健二 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40240767)
大友 季哉 高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 助教授 (90270397)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アルコール水溶液 / 濃度ゆらぎ / 構造可視化 / 中性子散乱 / リバースモンテカルロ解析 / フラクタル / 複雑液体 / ボイド / マスフラクタル / カルコゲン融体 |
研究概要 |
アルコール水溶液は濃度ゆらぎが顕著であることはよく知られていたが、その詳細は不明であった.我々は1-プロパノール水溶液について、中性子小角散乱と粗視化大規模リバースモンテカルロ法の組合わせにより濃度ゆらぎを可視化し、ゆらぎはマスフラクタルである種々のサイズのアルコールあるいは水のクラスターから構成されていることを明らかにしてきた(多分散マスフラクタル描像)。本科研費で、この描像がtert-ブチルアルコール水溶液でも見られるか否かを検証したところ、多分散マスフラクタル描像が成立していることが確認できた。さらに、両水溶液系でフラクタル次元がほぼ同一の値をとることも判明した。多分散マスフラクタル描像は多くのアルコール水溶液で普遍的に成り立っていることが強く示唆される。また、アルコール水溶液の中性子準弾性散乱スペクトルをマスフラクタル描像に基づいて解析すると、アルコール水溶液に共通して観測される部分モル体積の特異な濃度依存性も解釈できた。 以上の解析は、構造可視化によりはじめて可能になったもので、可視化技術が複雑液体の理解に不可欠な要素であることを強く示している。このような観点から、水溶液以外の複雑液体についてその構造可視化を試みた。液体Rb-Se混合系および液体Bi-Br混合系の可視化解析から、液体中に原子の存在しない空隙(void)が多く存在すること、そのvoidと原子配列には相関が存在することを見出した。voidおよびその周辺の構造を定量的に解析するためにDelaunay四面体を用いてvoidの抽出を行った。この結果、voidが関係した部分構造についても議論できるようになり、液体の部分構造をわかりやすく再構成することができた。また、液体の構造因子に見られるプレピークの起源についてもvoid周りにおける構造の安定化という観点から説明できた。
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