研究課題
基盤研究(C)
まず、レーザー高度計が搭載された衛星ICESATによる観測の始まった2003年以降について南極・昭和基地にある超伝導重力計による観測データの解析を進めた。その過程で、超伝導重力計CT#043の年間200μGalを超える器械ドリフトを指数関数によって近似できることを示すとともに、非潮汐海面高変動が重力の時間変化として重力観測に及ぼす影響について調べた。観測された重力変化から、潮汐変化、気圧変化の影響、極運動の影響、器械ドリフトを差し引き、Gravity Residualを求め、これを氷床質量変化の影響を検出するための重力観測データとした。一方、2003年から2007年はじめにかけてICESatのレーザー高度計により13回の観測期間で測定が行われ、そのうちの11回の観測期間から南極大陸全体の氷床表面高度を求めた。次に、その時間変化から氷床の体積変化を求め、それに、現場観測で得られた氷床の表面密度をかけて南極氷床の質量変動に変換した。こうして得られた質量変動を用いて、それによって引き起こされる観測点での重力変化を計算によって求め、観測データとの比較を行った。比較した結果では、あまりよい一致は見られなかった。その主要な原因として、観測点に近い沿岸域の質量変化の推定誤差が大きいことが挙げられる。レーザー高度計による測定は雲などの影響を受けるため、たとえ同じ軌道を通る場合でも同じ場所を観測できる保証はなく、観測期間ごとに測定点分布が異なることが多い。このため、グリッド点での表面高度を求める場合、測定点分布が異なると結果的に異なる場所の高さを求めることになり、高さの時間変化ではなく、異なる場所の高度差を求めることになる。このため、高度差の小さい南極大陸内部ではあまり問題とはならないが、傾斜の大きい沿岸域では大きな推定誤差となる。重力観測点である昭和基地近辺の質量変化の推定誤差が重力の時間変化の推定誤差となるため、観測値と推定値の差がかなり大きくなったと思われる。今後、沿岸域の高度推定を精度よく求める方法について検討していく。
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Book on Geodesy and geophysics observations in polar regions, A.Capra, R.Dietrich(Eds.) IAG Symposia(印刷中)
Book on Geodesy and geophysics observations in polar regions, A. Capra, R. Dietrich(Eds.), JAG Symposia, Springer (in press)
Book on Geodesy and geophysics observations in polar regions, A. Capra, R. Dietrich (Eds.) IAG Symposia(印刷中)
Bulletin of the Seismological Society of America 97,1A
Bulletin of the Seismological Society of America 97, 1A
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