研究課題/領域番号 |
17540401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
芝崎 文一郎 建築研究所, 国際地震工学センター, 上席研究員 (20344012)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,680千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スロースリップイベント / モデリング / すべり速度と状態量に依存する摩擦則 / 不安定-安定遷移 / 高間隙水圧 / 南海沈み込み帯 / カスケード沈み込み帯 / 超低周波地震 / ゆっくりすべり / 沈み込みプレート境界 / 摩擦構成則 / カスケード / 南海トラフ |
研究概要 |
最近の高精度地殻変動観測により、沈み込みプレート境界で様々なゆっくりすべり(スロースリップイベント)が発生することが明らかになった。例えば、カスケード地域や南海トラフの沈み込み帯深部で発生するゆっくりすべりは、発生間隔が数ヶ月から14ヶ月程度で、低周波微動を伴い10km/dayの速度で移動することが明らかになっている。本研究では、短い時間間隔で発生するゆっくりすべりのシミュレーションモデルを構築した。摩擦構成則としては、状態変数に対してカットオフ速度を有する構成則を使用した。この構成則により、低すべり速度ではすべり速度弱化、高すべり速度ではすべり速度強化の挙動を再現することができる。間隙水圧が高く臨界すべり量が小さいと仮定することで、10km/dayで伝播するスロースリップイベントを再現することができた。次に、三次元的なプレート境界面を考慮して、スロースリップイベントのモデル化を行った。モデル領域は、四国西部から東部までを対象とする。低周波微動の分布に基づき、遷移領域の幅を四国西部で広く設定し、四国東部で狭く設定すると、四国西部では長い時間間隔で大きなイベントが発生し、四国東部では短い時間間隔で小さなイベントが発生した。シミュレーション結果は大きなイベントほど発生間隔が長いという観測事実と調和的である。さらに、スロースリップイベントに伴い発生する超低周波地震を再現するために、臨界すべり量の小さなパッチを設けたシミュレーションを行い、局所的に高速破壊が生じることを確認した。本研究の成果は南海トラフで発生する巨大地震の応力蓄積過程を解明する上で本質的に重要である。
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