配分額 *注記 |
3,540千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
南大西洋収束帯(SACZ)は,南米大陸の東部から南大西洋にかけて亜熱帯域で夏季に発達する降水帯である。本研究は,数値モデル実験や気象・海洋のデータ解析により,SACZの形成機構を明らかにすると共に,同じく亜熱帯域で発達する梅雨前線帯やその他の亜熱帯収束帯(STCZ)との対比を通じて,STCZの形成メカニズムの理解を深めることを目的とする。 SACZの形成に及ぼすブラジル高原の影響を明らかにするための統計解析と数値実験を行った。27年間の統計解析から,SACZは、ブラジル高原を通る位置にあるとき最も発達すること、およびブラジル高原の南西側に発達する下層の低気圧性循環が、SACZに沿った下層の収束場を強めることがわかった。次に水平分解能25kmの高分解能領域大気モデルを用いた数値実験により、ブラジル高原の役割を調べた。ブラジル高原の南西測にできる下層の低気圧性循環の成因を感度実験により調べた結果、ブラジル高原の力学的障壁効果ではなく、高原上で発達する降水の潜熱加熱が重要であること、また、循環の再現にはブラジル高原の起伏に富んだ地形を表現できるモデルの高い分解能が必要であることがわかった。 SACZと他の亜熱帯収束帯(STCZ)との比較研究を行なった。地域による観測値の多寡の影響を小さくするため、CCSR/NIES/FRCGCの共同研究グループが開発した大気大循環モデルによる長期積分の出力値が解析された。SACZと南インド洋で発達するSICZは,その高緯度側の陸地の広がりが小さいため,夏季でも比較的大きな温度傾度(傾圧性)が保たれる。これに対して梅雨前線帯と北米でみられるNACZは高緯度の陸地の広がりが大きく,そこが夏季に昇温するために,温度傾度(傾圧性)は小さい。南太平洋に発達するSPCZは,大陸から離れた海洋上に発達するので,温度傾度(傾圧性)は極めて小さく,水蒸気前線としての特徴が著しいことが示された。
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