研究課題/領域番号 |
17540473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
畑山 明聖 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10245607)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 水素負イオン / 負イオン源プラズマ / 粒子シミュレーション / エネルギー緩和過程 / 速度分布 / 負イオンビーム / 収束性 |
研究概要 |
水素負イオン源プラズマにおいて生成され、引き出される負イオンビームの良好な収束性を理解する上で、負イオン源プラズマ内における負イオン速度分布の支配機構の理解と制御は重要な意味を持つ。以上を踏まえ本研究では、 1)水素負イオン源プラズマにおける負イオン生成、輸送、消滅過程を総合的に扱える数値シミュレーションモデルの構築 2)水素負イオン源プラズマ内の負イオン速度分布の詳細な解析 を行った。1)に関しては、水素負イオン源内における負イオン、中性粒子(水素原子、分子)輸送をモンテカルロ法に基づき追跡するコードを開発した。また、PIC法に基づき、水素負イオン源引き出し孔近傍の電位構造を正イオン、負イオン及び電子の挙動と矛盾なく求める粒子コードを開発した。 これら、数値計算コードをアーク放電型の大型負イオン源(Camembert III)の解析に適用し、典型的な放電条件(ガス圧 数mTorr、放電電圧【approximately equal】50V)のもとで負イオン速度分布について解析した。その結果、(1)低エネルギー負イオン成分(【approximately equal】0.1eV)形成については、背景正イオン及び中性粒子との弾性衝突が支配的に働く、一方、(2)高エネルギー成分(【approximately equal】1eV)形成については、電場による加速が支配的に働くことを示した。さらに、引き出し孔近傍における負イオンの実空間における輸送を粒子コードによって解析した結果、電子引き出し抑制用"弱"磁場の存在が負イオン輸送及び引き出しに大きく影響することを示した。すなわち、この弱磁場によるイオンと電子のダイナミックスの差により、負イオンを引き出し孔近傍に向けて加速する正の電位ピークが形成されることを示した。また、負イオン温度計測に用いられるレーザー光脱離法に関するPICモデリングもあわせて行った。負イオン-電子密度比が高い場合(n_/n_e>0.1)には、レーザー入射経路に形成される電場により、負イオン加速が生じ、測定誤差の一因となり得ることを示した。
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