研究課題/領域番号 |
17550006
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前山 俊彦 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (20250673)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 負イオン / 赤外分光 / 光電子分光 / 電子脱離 / 電子移動 / 水素結合 / 溶媒和 / クラスター / レーザー分光 / 生態関連分子 |
研究概要 |
1.ホルムアミドクラスター負イオン(5〜21量体)の光電子スペクトルを測定すると、電子束縛エネルギーが0.5〜1.2eVに極大を持つバンドと2.OeV付近から立ち上がるバンドの2つが観測された。これらのバンドの強度比はクラスターの生成条件により変化するので、それぞれが別種の異性体に起因することが分かった。低エネルギー側のバンドを溶媒和電子型負イオン、高エネルギー側をラジカルアニオン型と帰属できるが、クラスターサイズ増大に伴う安定化は後者の方が顕著であり、より局在化した電子束縛を反映している。また、9量体では特異的に他のサイズよりも幅の狭い形状のラジカルアニオンバンドが強く現れることが見出された。 2.ベンゾニトリル負イオンの溶媒和クラスター(水およびメタノール)の3ミクロン帯における光電子脱離効率を測定すると、ほぼ平滑な直接脱離の信号に加えて溶媒分子の振動バンド構造が現れた。これらはいったん離散的な振動状態に励起された後に電子連続帯に遷移する過程、すなわち振動自動電子脱離によって生じている。強い水素結合の存在を示す大きく低波数シフトしたバンドが観測されたが、そのバンド位置はDFT計算(B3LYP/6-31+G**)による最適化構造として得られた直鎖構造のものとよく一致した。また、Fano理論に基づくバンド形状の解析とDFT計算の結果から、溶媒分子の水素結合OH伸縮振動が負イオンから電子を汲み出すポンプのように振舞うことが示された。
|