研究概要 |
1.蛍光の酸素消光:n-アルカン(C_2〜C_7)およびメチルシクロヘキサン中で9,10-ジメチルアントラセン(DMEA)の蛍光の酸素消光を行い,消光速度定数に対する温度効果と圧力効果から,溶媒"籠"中での二分子消光速度定数k_<bim,0>と拡散の速度定数k_<diff>を求め消光機構を考察した(JPC)。 2.高温気相,高温高圧下での酸素消光:高温気相中でのDMEAの蛍光の酸素消光,および新規に製作した光学窓付高温高圧容器を用いて,液体と超臨界プロパン中でのDMEAの蛍光の酸素消光を行い,溶媒"籠"効果を検討した(第46回高圧討論会)。 3.三重項の酸素消光:(1)液体および超臨界二酸化炭素とエタン中で9-アセチルアントラセン三重項(^3ACA^*)の三重項-三重項消光と酸素消光を行い,消光速度定数に及ぼす圧力,温度,溶媒効果から,消光への拡散過程の寄与および溶媒"籠"効果を含めて消光機構を考察した(XXII IPC)。(2)超臨界二酸化炭素中でベンゾフェノン三重項(^3BZP^*/nπ^*)の酸素消光速度定数を温度と圧力の関数として測定した。^3ACA^*/ππ^*との結果を活性化エネルギーと活性化体積および一重項酸素の生成量子収率の測定から,消光機構,消光に及ぼす電子状態の相違を考察した(日化第86春季年会;第47回高圧討論会;日化第87回春季年会)。 4.超臨界流体中での一重項酸素の寿命におよぼす温度効果と圧力効果:一重項酸素の寿命を液体および超臨界プロパン中で圧力の関数として測定し,溶媒へのエネルギー移動に対する二分子反応速度定数k_D対する活性化量および剛体球を仮定した溶媒と酸素(^1Δ_g)の最近接距離σでの動径分布関数g(σ)を用いて消光機構を考察した(日化第87回春季年会)。
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