研究課題/領域番号 |
17550019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菅原 道彦 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (40276415)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 化学物理 / 量子制御 / 量子観測 / デコヒーレンス / レーザー |
研究概要 |
レーザー場によって量子系にもたらされるコヒーレントな動力学と、観測操作によってもたらされるデコヒーレンス効果を組み合わせることによって新たな量子制御の描像を構築した。この際、頻繁に施される観測操作間の時間発展演算子に対して2次の摂動論を用いた解析を行うことにより、系の有効リウビリアンを導出することに成功した。この有効リウビリアンに対して固有値解析を施すことによって、十分時間を経た後で得られる定常状態の準位分布の性質が運動方程式を直接解くことなしに求められることが明らかになった。レーザー場の強度や観測対象準位を変化させることによって、最終的に得られる定常状態準位分布が制御可能であることがわかった。実際に、A型3準位系、コブラック・ライス型5準位系などのモデル系において、上記の制御法を適用したところ、レーザー光強度と観測対象準位を変化させることにより様々な終状態準位分布を得ることが出来た。また、強レーザー場による準位間の結合が観測過程に対応することを利用し、一般多準位系に対して、(1)全系を見かけ上相互作用しない部分系に分割するような強レーザー場照射の条件を求め、(2)孤立化された部分系に対して従来の制御法を適用する、という手順に従って、緩和過程を見かけ上抑制することが出来る量子制御描像を構築した。この際、2次の摂動論を適用することにより孤立化された制御対象部分系の動力学を規定する有効ハミルトニアンを導出し、空間分割によって実現される中間状態からの緩和過程の抑制について詳細な議論を行った。
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