研究課題
基盤研究(C)
複合金属酸化物の表面上で機能する貴金属は、自動車排ガス浄化触媒など、利用用途は非常に広い。本研究の目的は、複合酸化物の中でも盛んに研究されているペロブズカイト型酸化物に注目し、その表面上に貴金属を均一に単原子被覆する新しい方法を提案することである。本研究では、高均質ペロブスカイト型酸化物の優れた前駆体であるシアノ架橋三次元ヘテロ金属錯体Ln[M(CN)_6]・nH_2O(シアノ架橋配位高分子とも言われている、Ln=希土類(3)、M=Fe(3),Co(3)の結晶表面に露出しているシアノ基の窒素原子にPd(II)やRh(3)を結合させれば、これら貴金属が10〜11Aの間隔で規則正しく単原子被覆されたものができるはずだと考えた。これを熱処理すれば、貴金属が単原子被覆された高均質ペロブスカイト型酸化物LnMO_3が調製できると期待される。このことを、ランタン(La)の配位高分子であるLa[Fe(CN)_6]・nH_20とLa[Co(CN_6]・H_20を用いて検討した。担持処理は、配位高分子の結晶を水に浸漬し、これに硝酸パラジウム(Pd(NO_3)_2)あるいは硝酸ロジウム(Rh(NO_3)_3)の水溶液を加えた後ろ過をし、水で洗浄することによって行った。その結果、Pdは結晶表面に担持されることがわかった。しかしながら、Rhは担持されなかった。これは、d^<6>の電子配置であるRh(3)が、配位子置換において典型的に不活性なものであるためだと考えられる。そこで、Rh(III)のオキサラト錯体、[Rh(C_2O_4)_3]^<3->、を利用すれば、結晶表面のLa(3)にオキサラト架橋により担持されるのではないかと考えた。このような考えに基づいて、[Rh(C_2O_4)_3]^<3->の水溶液にLa[Fe(CN)_6]・nH_2O結晶を浸漬した結果、予想通り、[Rh(C_2O_4)_3]^<3->が担持できた。
すべて 2009 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (78件)
Inorganic Chemistry Communications 11
ページ: 323-325
Journal of the Ceramic Society of Japan 115
ページ: 640-642
110006436417
Journal of Ceramic Society of Japan 115
Journal of Alloys and Compounds 408-412
ページ: 1026-1029
Chemistry Letters 35
ページ: 1302-1303
Chemistry Letters Vol. 5, No. 11