研究課題/領域番号 |
17550109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
田中 耕一 関西大学, 工学部, 教授 (10116949)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 超分子多孔体 / キラリティー / 固相合成 / 不斉反応 / 無溶媒反応 / シクロヘキセンオキシド / アニリン / 結晶構造 / 固相反応 / 不斉合成 / 反応場 / 超分子化学 / 分子認識 / 自己組織化 / ナノ材料 / 合成化学 / 包接 |
研究概要 |
金属イオンと配位させるための第一官能基としてのカルボキシル基、ゲスト分子との水素結合形成に必要な第2官能基としての水酸基、さらにキラル空間を創出するための軸不斉なビナフチル基を有する光学活性ジカルボン酸(1)を合成し、これをCuイオンと配位させることによりキラル金属-有機配位多孔体(2)を合成することに成功した。また、その単結晶X線構造解析にも成功し、軸不斉を持ったビナフチル基が形成するキラル空孔に溶媒のMeOHが2分子包接されていることが判明した。さらに、このキラル金属一有機配位多孔体(2)を不斉反応場としての利用を検討した結果、エポキシシクロヘキサンに対するアニリン誘導体の付加反応が無溶媒条件下で不斉選択的に進行することを明らかにすることができた。たとえば、シクロヘキセンオキシド(3)とアニリンの1:1混合物にキラル固体触媒として10モル%の2を加えて室温で24時間反応させると、光学活性なアミノアルコール(4)が光学純度51%で得られた。このような、キラル金属-有機配位多孔体(2)を触媒的な固体不斉反応場として用いた反応例はこれまでほとんど類例がないものである。また、この触媒は反応生成物からろ過により簡単に分離回収でき再使用も可能であるので、無溶媒反応と併せて環境に負荷の少ないグリーン有機合成法としてきわめて有望である。今後、不斉収率のさらなる向上を目指して新しいキラル金属-有機配位多孔体を設計・開発すると共に、多種多様な触媒的不斉有機合成反応への応用やゲスト分子の高効率な光学分割などへの応用を展開して行く予定である
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