研究概要 |
1.2,6-ジヒドロキシナフタレンが塩基存在下水中で酸化カップリング重合しポリ(2,6-ジヒドロキシー1,5-ナフチレン)が得られることが分かった。 2.フェノール残基の3,5-位をメチロール化したチロシン誘導体やいくつかのビスフェノール類のテトラメチロール化物が溶液中や固体状態で加熱のみによって重縮合することを見いだした。 3.クラウンエーテル環を有するフェノール誘導体を銅触媒存在下酸化カップリング重合し、主鎖と垂直方向にクラウン環が連続して連なった特異な構造を有するポリ(フェニレンオキシド)の合成に成功した。そのp-ブロモ体は単独ではハロゲン置換重合せず、1,6-ジメチル-4-ブロモフェノールとは高分子量の共重合体を与えた。 4.Williamson型エーテル合成を使った段階的な反応によって、クラウン環が積層したチューブ状単一オリゴマーを合成する過程で、現在、2量体まで合成に成功し、そのアンモニウム塩抱接能を明らかにした。 5.チアカリックス[4]アレーンのフェノール残基のp-位をクロロメチル化し、Williamson型縮合重合を行った。 反応条件を工夫することで可溶性のポリマーを得ることができた。 6.トリp-ブロモホモオキサカリックス[3]アレーンに塩基を作用させるとフェノール部分とブロモアレーン部分でハロゲン置換重合が進行し、完全ではないがポリフェニレンオキシドを主鎖骨格とする筒状ポリマーが得られることが分かった。 7.チアカリックス[4]アレーンは酸化カップリング重合しなかったが、向かい合う2つのフェノール残基をメチルエーテル化またはベンゾイル化すると残るフェノール残基で酸化カップリング重合が進行した。 8.カリックス[4]アレーンの向かい合う2つのフェノール残基をベンゾイル化し、残るフェノール残基をp-ブロモ化した化合物は、ハロゲン置換重合(反応率60%)した。
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