研究課題/領域番号 |
17550118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
門川 淳一 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30241722)
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研究分担者 |
金子 芳郎 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80404474)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 複合超分子 / ナノ構造制御 / 重合反応場 / アニオン性多糖 / アミロース / カチオン性モノマー / 包接錯体 / つる巻き重合 / ポリカーボネート / 酵素重合 / カルボキシメチルセルロース / イオン結合 / アミド化反応 |
研究概要 |
本研究では、天然多糖と合成高分子を複合化する手法として重合反応を利用する手法を用い、新しい超分子化合物の創製を試みた。すなわち天然多糖存在下で、適当なモノマーの重合を行い、複合超分子を得るという手法である。具体的には、カルボキシル基を有するアニオン性多糖であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて、これの存在下での、カチオン性モノマーの2-アミノエチルメタクリレート(AEMA)の塩酸塩の重合を利用したCMC-PolyAEMA複合超分子の調製を試みた。この生成物は、通常の有機溶媒や水に不溶であった。これのIR測定からCMCとPolyAEMAの両方に由来する吸収が観測され、生成物がCMC-PolyAEMA複合化合物であることが確認された。また200℃で加熱することでアミド化反応が進行することもIRにより確認した。また、この手法を用いてセルロースと重合性イオン液体から新規なナノコンポジットを得ることもできた。 一方、天然多糖であるアミロースはグルコースがく(1→4)-グリコシド結合でつながった多糖であり、その糖鎖はらせん構造を形成している。このらせん内部は疎水場であるために、様々な疎水性低分子量化合物を包接することが知られている。一方、ポリマーをアミロース内部に包接する研究は非常に限られている。すでに研究代表者のグループでは、"つる巻き重合"という高分子間で包接錯体を得る手法を用いて、アミロースとポリエーテルやポリエステルからなる複合超分子の合成を報告した。本研究では、つる巻き重合における新しいゲストポリマーとして疎水性のポリカーボネートを用いて、対応する複合超分子を得ることに成功した。またゲストポリマーの疎水性が超分子形成に重要であることも示唆された。本研究で得られた超分子は、天然高分子のアミロースを機能性材料として利用するための基盤となることが期待される。
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