研究概要 |
全固体リチウム二次電池用の,常温・常圧で高いイオン伝導性を有する新規電解質を市販の試薬を使用して簡便な方法で調製する方法を提案し,電解質の基礎物性等の評価を行い,以下の成果を得た。 1.デバイスの基本設計 デバイスの基本設計となる「リチウムイオン電池用ドライ系ポリマー電解質を簡便な方法で調製する」ためのポリマーマトリックスを提案し,その構成材料(モノマーおよびプレポリマー)の要求特性を明らかにした。 2.ポリマー電解質の最適化と基礎物性評価 機械的強度とイオン伝導性に優れたポリマー電解質材料を設計し,その調製方法を検討した。機械的強度を担うモノマーとしてステアリルメタクリレート(SMA),リチウムイオンの移動を担うプレポリマーとしてポリ(オキシエチレン)メタクリレート(POEM)を選択した。電解質のイオン伝導度とその温度依存性を,これまで研究代表者および分担者のグループで報告してきたドライ系ポリマー電解質,ゲル系ポリマー電解質の結果と比較検討し,本研究で提案した電解質の優位性を明らかにした。 3.ポリマー電解質中でのリチムイオンの反応過程の解析 ポリマー電解質中でのリチウムイオンの電極反応の検討を行い,電極/電解質界面の構造最適化することで,リチウムの析出/溶解反応が可能であることを確認した。 上記結果は,11)研究発表項に記載の学術雑誌に公表したほか,国際会議および国内会議での口頭発表およびポスター発表にて報告した。
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