研究課題/領域番号 |
17550179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
松尾 吉晃 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20275308)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 酸化黒鉛 / 発光 / シリル化 / ピレン / 凝集 / 層間化合物 / ペルフロオロアルキル基 / 活性エステル |
研究概要 |
酸化黒鉛を様々なシリル化剤によってシリル化する方法を開発することに成功した。これをもとに、種々の鎖長のアルキルトリクロロシランを種々の割合で酸化黒鉛と反応させることで得られたシリル化酸化黒鉛と1-ピレンカルボキシアルデヒドと3-アミノプロピルトリエトキシシランとの反応によって得られる色素との反応をトルエン中還流条件下で行い、ピレンを層間に固定化した。固定化されたピレン量は酸による加水分解後、吸光度を測定することで定量でき、酸化黒鉛ユニットあたり最大で0.7個ピレンが固定化されていることが分かった。得られた試料の層間距離からピレンの凝集は、酸化黒鉛層間のアルキル鎖が単分子膜構造を示す時には起こらず、二分子膜構造に変化した際にのみ起こること、単分子状態で固定化できるピレン量は酸化黒鉛ユニットあたり最大で0.45個に達することが分かった。またこのことからピレンの凝集は、同一のシリル化酸化黒鉛層面内で起こるのではなく上層に結合したピレンと下層に結合したピレンの重なりによるものであることが示唆された。さらに、ペルフルオロアルキル基を導入したシリル化酸化黒鉛をホストとすることで、低振動数のC-F結合の存在によりピレンの無放射失活が抑制され発光強度を上昇させることができた。これに加えて、あらかじめアミノ基をシリル化酸化黒鉛中に固定化すればピレン部を有する活性エステルと反応させることでもピレンを固定化することができ、この場合、ピレンの発光ピーク波長付近に吸収を示すC=N結合を含まないため、さらに発光強度を増加させることも可能であった。さらにこれらの結果を、アルキルアミン-酸化黒鉛もしくはバナジウムキセロゲル層間化合物中に導入された色素の発光特性と比較した。
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