配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
研究概要 |
アミノ酸エステル残基を部分構造とするニッケルジチオカーバマート錯体が,カルバモイルプロトン-末端エステルカルボニル間の分子間水素結合により集積化し,特異な超分子構造を形成することを明らかにした。中でも,グリシン誘導体では約0.7nmサイズのマイクロチャンネル構造となり,分子認識の可能性を見いだした。このようなマイクロチャンネル構造は錯体の折れ曲がり構造によって実現したものである。実際に,ジオキサンやビピリジルのようなプロトン受容体とクラスレートを形成することを見いだした。さらに,アミノ酸残基自体から誘導したニッケルジチオカーバマート錯体は,末端カルボキシル館の相補的水素結合により1次元鎖を形成することがわかった。 このような,分子間水素結合を利用した分子認識素子の構築のためニッケルジチオカーバマート錯体をシリコン表面に固定することを検討した。その結果,以下に挙げる3ルートで水素終端化シリコン表面から錯体終端化できることを見いだした。 1.あらかじめ錯体中にアルケンを官能基として導入し,水素終端化シリコンとの反応を行う。 2.シリコン表面をアミノアルキル終端化し,ニッケルイオンおよび二硫化炭素との表面反応によって錯体化する。 3.シリコン表面をアミノアルキル終端化したのち,二硫化炭素およびトリエチルアミンとの反応でジチオカーバマート塩とし,さらにジエチルアミン,二硫化炭素およびニッケルイオンとの反応によって錯体化する。 これら3ルートの内,どのルートによっても表面を錯体終端化できる。
|