研究課題/領域番号 |
17550186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
河原 成元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00242248)
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研究分担者 |
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30135321)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ナノマトリックス / 高分子 / 天然ゴム / 脱蛋白質化 / スチレン / グラフト共重合 / ポリマーアロイ / 貯蔵弾性率 / ナノマトリックス構造 / ゴム / ラテックス / 耐油性 / 粘弾性 |
研究概要 |
厚さ数nm〜数十nmのガラス状高分子マトリックスに平均粒径1・m程度のエラストマーを分散することにより、ナノメートルオーダーのスポンジ状構造(ナノマトリックス分散構造)を有するナノマトリックス分散高分子材料を創製するために、天然ゴムラテックスを原料としてスチレンのラジカル重合を行なった。 天然ゴムラテックスは尿素を用いて脱蛋白質化を行うことにより精製した。脱蛋白質化天然ゴムにスチレンをグラフト共重合した場合、スチレンの反応率は最大でほぼ100%になった。一方、未処理の天然ゴムにスチレンをグラフト共重合したところ、スチレンの反応率は開始剤濃度に依らず約20%であった。蛋白質はラジカル捕捉剤であることから、脱蛋白質化天然ゴムでは蛋白質を除去することにより副反応が抑制され、結果としてスチレンを効率良くグラフト共重合できたものと思われる。さらに、グラフト共重合におけるスチレンのグラフト効率のモノマー濃度依存性を検討したところ、グラフト効率はモノマー濃度が1.5mol/kg-rubberで90%以上になることが明らかとなった。 スチレングラフト共重合天然ゴムラテックスから薄膜を調製し、クライオミクロトームを用いて作製した超薄切片をオスミウム酸で染色してから撮影した透過型電子顕微鏡観察を行なった。仕込みスチレン量が0.5mol/kg-rubberおよび1.0mol/kg-rubberのグラフト共重合体では天然ゴムの黒い相にポリスチレンの白い相がわずかに分散しているだけであったが、仕込みスチレン量が1.5mol/kg-rubberではゴム粒子の表面を覆うようにポリスチレンがグラフトした。さらに、仕込みスチレン量が2.0mol/kg-rubberでは、ゴム粒子を覆うポリスチレンの相は厚くなった。仕込みスチレン量が1.5mol/kg-rubberの場合、グラフト効率は93%であり、生成したポリスチレンのほとんどはゴム粒子に表面で結合している。それ故、仕込みスチレン量1.5mol/kg-rubberで、ナノマトリックス分散天然ゴムが調製できることが明らかとなった。 ナノマトリックス分散天然ゴムの粘弾性測定により求めた貯蔵弾性率は対応するポリスチレンを混合したブレンドの約50倍に増加していた。
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