研究課題/領域番号 |
17560001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藤代 博之 岩手大学, 工学部, 教授 (90199315)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 超伝導応用 / 低温物性 / 環境技術 / 結晶工学 / 熱物性測定 / 熱物性 |
研究概要 |
バルク超伝導体の特徴的な応用の一つとして、超伝導バルク材料の微細組織に捕捉される高密度磁束を用いた10テスラを超える「超伝導バルク磁石」が注目され、磁気浮上、磁気分離、マグネトロンスパッタ等への展開が検討されている。超伝導バルクを最も有効に磁化する方法は静磁場による磁場中冷却(Field Cooled Magnetization ; FCM)であり、印加磁場とほぼ等しい磁場が捕捉できるが、超伝導コイルマグネット用いるため応用範囲が限られていた。 本研究では、簡便・安価で産業応用に優れた着磁方法であるパルス着磁(Pulse Field Magnetizing ; PFM)について、磁束線の急速な運動による発熱が大きいために捕捉される磁場が小さいという問題点の克服と、その着磁メカニズムの解明に関して検討した。印加磁場B_<ex>と温度上昇ΔTの関係や、磁束のダイナミックスに関する基礎研究の中から新しいパルス着磁法(MMPSC法)を提案し、これまでのパルス着磁法による捕捉磁場の最高値(3.8T)を大きく上回る5.20Tという世界最高の磁場の捕捉に成功した。直径45mmのGdBaCuO系バルクの他に、直径45mmのSmBaCuO系バルク、33mm角のGdBaCuO系バルク、直径65mmのGdBaCuO系バルクに対してもMMPSC法が有効なパルス着磁法であることを明らかにした。さらに、2連型や5連型などの様々な超伝導バルク磁石を作製し、真空容器表面で2Tを越える捕捉磁場特性を実現した。これらの超伝導バルク磁石を、環境浄化用磁気分離やドラッグデリバリーシステムなどの医療への応用に活用できる可能性を示した。基礎的研究の重要性を研究代表者自身が認識するとともに、本研究によりパルス着磁による超伝導バルク磁石が産業応用へ一歩近づいたと考えている。
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