研究課題
基盤研究(C)
本研究ではGaNとAlGaN層の新しいバッファ材料としてCrNを提案した。立方晶CrN(111)面はGaN(0001)面・サファイヤ(0001)面双方に近い格子定数、熱膨張係数を持っため、厚膜成長時の貫通転位、ベンディング、クラックを低減するのに適した材料である。また、窒化物であるためGaN、AlGaNとの相性もよく、高温での安定性も高い等の利点が挙げられる。最初実験としては分子線エピタキシー成長法(MBE法)とハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いた2段階成長により、CrNバッファ層上にGaN厚膜を成長し、高品質クラックフリーGaNテンプレイト基板を作製した。結晶性と表面モルフォロジの比較のためにMBE法により作成された単層CrN緩衝層、GaN/CrN二重緩衝層、低温GaN緩衝層、及びMOCVD-GaNテンプレート上へHVPE法によるGaN厚膜成長を行った。成長後、GaN/CrN二重緩衝層、低温GaN緩衝層、MOCVD-GaNテンプレート上には平坦な表面を有した単結晶GaN膜が得られたのに対し、単層CrN緩衝層上には多結晶GaNが成長した。単層CrN緩衝層上に単結晶GaN膜が得ることができなかった原因は不明であるが、HVPE成長条件を最適化し成長速度を小さくすることで単結晶GaN膜成長は可能であると考えられる。また、XRD測定及びPL測定の結果より、GaN/CrN二重緩衝層上に成長したGaN膜は他の試料に比べ優れた結晶性、光学特性を有していることを確認、GaN/CrN構造がサファイヤ基板上へのGaN厚膜成長に適した緩衝層であることを明らかにした。CrNの他の形成方法としてスパッタリング法によりCrN緩衝層を成膜し、その上へGaN厚膜成長を行った。CrN緩衝層の作製はスパッタリング法により成膜したCr薄膜をHVPE装置内で窒化することで行った。その上にGaN厚膜成長を行ったところ、GaN単結晶膜を得ることができた。次に緩衝層上に成長したGaN厚膜を評価することによりCrN緩衝層膜厚の最適化を行い、スパッタリング時のCr最適膜厚を10nmと決定した。この条件を用いて作成したGaN厚膜は良好な結晶性を示したものの、表面に多数のピットが生成し、表面の平坦性及び光学特性が著しく損なわれていた。
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