研究課題/領域番号 |
17560041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高橋 貞幸 山形大学, 地域教育文化学部, 技術専門職員 (10396559)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 圧電高分子 / 空中超音波画像 / 高周波数 / トランスデューサ / P(VDF / TrFE) / PVDF |
研究概要 |
空気中で、高周波数領域(1MHz以上)に於ける超音波を、効率よく送受信するためには、超音波トランスデューサの圧電体として、音響インピーダンスの小さい圧電物質を用いることが有効である。このことに対処するため、本研究では、高分子系の圧電体であるP(VDF/TrFE)に着目し、MHz帯域での空気中で動作するトランスデューサ開発を行った。開発したトランスデューサは、約2MHzの動作の中心周波数をもつ。圧電膜の構成は100μmのフィルムを3枚積層構造とした。また電極は、実効キャパシタンス値を大きくするため電源に対して、並列(パラレル型)とした。 <主な目的> 1.パラレル型P(VDF/TrFE)トランスデューサの動作効率の評価と今後の有効性。 2.空中超音波画像の形成と技術的確立。 3.開発したトランスデューサによる空気を媒質とした、高周波超音波数での物質透過。 <成果> 1.Masonの等価回路と実測値によりトランスデューサの効率を評価すると、開発したトランスデューサは、約80dBであり、計算値と比べ15dB程度効率が低下している。この原因は各圧電膜間に使用する接着剤による影響が大きいことが判明した。積層した圧電膜のキャパシタンス値は、9倍の上昇が実現できた。接着剤の問題を解決するとさらに効率の良いトランスデューサの開発が可能である。 2.凹面型トランスデューサの製作と空中超音波画像システムの構築を行い、振幅強度像(Amplitude-image)および位相差画像(Phase-image)を形成した。これらの画像は、それぞれ約150μm/20μmの分解能の優れた画像を実現できた。特筆すべき点は、超音波による紙(紙幣)の印刷部の画像化である。 3.平面型P(VDF/TrFE)トランスデューサを用いて、透過法による物質の高周波(2MHz)超音波実験を試みた。この結果、シリコンゴム(厚さ3mm)内での透過波および反射波の観測ができ、音速と吸収値を算出した。また、高分子系(ポリスチレン板)の材料・紙幣は十分に透過する事が判明し、アルミニュウム材(厚さ10μm)も透過させることが可能であった。
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