研究課題/領域番号 |
17560083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中曽根 祐司 東京理科大学, 工学部・機械工学科, 教授 (10266918)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アモルファス / 金属ガラス / 結晶化 / X線回折 / 疲労 / き裂の進展 / ストライエーション / き裂閉口現象 / き裂閉口 / Amorphous / Metallic Glass / Crystallization / X-ray Diffraction / Fatigue / Crack Growth / Striation / Crack Closure |
研究概要 |
アモルファス合金は、その機械的特性、特に疲労特性は十分に明らかにされていない。そこで、本研究では、Zr基バルクアモルファス合金のき裂進展挙動を調べるとともに、2次元検出器を備えたX線回折装置によって、き裂近傍や破面上の組織のX線回折解析を行い、強変形部における組織変化を調べた。さらに、2次元離散体力学に基づくアモルファス合金の破壊過程のシミュレーション解析を行い、解析結果と実験結果との比較・検討を行った。 その結果、き裂がランダムに配列した原子集団の中の最弱部を選択しつつ進展するため、分岐、屈曲、停留を繰返し、試験片表面と内部で進展経路が異なる複雑なき裂進展挙動を示した。このため、き裂進展速度da/dNと応力拡大係数幅・Kの関係、log(da/dN)-log(ΔK)線図は、破壊力学の分野でよく知られた単調に増加する逆S字型曲線で表されるのではなく、試験片ごとに異なるジグザグ状の曲線を示した。また、き裂開閉口現象は応力比R≦0.15で観察されたが、R≧0.2では観察されなかった。さらに、製造時に故意に結晶化させた素材部分のX線回折プロファイルと変形を受けて結晶化した場合のそれとを比べると、前者の場合には、アモルファス合金に特徴的に見られるハローパターンは見られず、結晶形を表す回折ピークだけが現われているのに対して、後者の場合には、アモルファス組織を示唆するハローパターンに結晶化を起したと思われる小領域部分のプロファイルが重畳していることが分った。以上のことから、破面上の回折ピークは製造時に試験片内部領域の結晶化によるものではなく、き裂進展に伴う強変形によって生じた結晶化によるものと推察された。これは、荷重繰返しにより原子集団の協同的なすべりによって原子配列に規則性が生まれ、ストライエーション状模様が形成されるとともに、アモルファス相のZr_2Cuへのある方位に偏った部分的な結晶化が起こったことを示唆するものと推察された。2次元離散体力学に基づくアモルファス合金の破壊過程のシミュレーション解析では、ランダムに配列した原子が破壊後、破面に沿って規則的に並ぶ傾向が得られ、実験で推察された結晶化がシミュレーションでも再現できた。
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