研究概要 |
(1)分散型生産システムのモデル化 グローバルに分散した生産システムにおける最終組立工場において,適切な品種を適切な時期に,適切な数量マーケットに供給するための生産計画および生産スケジュールを策定するモデルを提案した. (2)分散型生産システムの不確実性のモデル化 分散型生産システムにおける生産計画およびスケジューリングで考慮すべき搬送プロセスおよび生産プロセスの不確実性をモデル化するために,作業時間を確率分布で表現し,その生起確率に基づいて各プロセスの開始時刻および終了時刻の確率的な信頼区間を推定する手法を開発した. (3)分散型生産システムのシミュレーションモデルの開発 生産プロセスのシミュレーションを行うことができるモデルを開発した. (4)不確実性を考慮したスケジューリング手法の開発 生産プロセスおよび搬送プロセスにおけるMES(Manufacturing Execution System)などからの進捗状況の報告に基づいて,スケジュールを変更する手法を開発した.さらに,エージェント間の協調により,個々の生産工場および生産ラインにとって最適であるだけでなく,分散型生産システムおよび仮想企業体全体にとって適切なスケジュールを策定する方法論を検討した. (5)不確実性を考慮した生産計画手法の開発 需要または受注による最終製品の生産計画を策定するとともに,その生産に必要な材料および部品の生産計画および調達計画を策定する手法を開発した.これにより,生産プロセスおよび搬送プロセスにおける不確実性を考慮することにより,確率的な信頼区間を含めた生産計画の策定を行えることが可能になった. (6)開発した手法の評価 上記の研究で開発した生産計画およびスケジューリング方法論を評価した,すなわち,シミュレーションシステムを用いて,エージェントの意思決定プロセスと生産プロセスのシミュレーションを行うことで,本研究で提案する手法の有効性の検証を行った.
|