研究概要 |
最近の機械の性能は,構成部品の加工精度に大きく左右される.したがって,経済的に機械部品を高精度に加工できる加工法を開発すうことには大きな意義がある. 本研究は良好な仕上面粗さと面だれのない仕上面を高能率に加工できる精密ベルト研削技術の構築と装置の開発を目的としている.ベルト研削で問題となる形状精度の低下を,可撓性の研削ベルトを空気圧で浮上させ,回転する被削材との理想的な干渉状態を創りだすことで解決し,形状精度の高い仕上面の創成を可能にした. さらに形状精度の高い仕上面を得るためには,プラテン上の圧力分布と仕上面粗さおよび形状精度との関係を知ることが不可欠である.最初に可能なかぎり均一な実験条件を得るために,エアータンク,プラテン,圧力測定板および加工系機構を自作した,今回,圧力測定板を用いて測定したプラテン上の圧力分布を詳細に調べ,CFDによる結果と比較した. また,アルミナ研削ベルトによるSS400鋼のエアー浮上式精密ベルト研削を実施し,仕上面創成状態について調べた.研削速度は15m/s.エアータンク内圧力は15kPaである.この方法で従来の研削ベルトでは得られなかった高精度加工面を得るごとが出来た.得られた結果は以下のとおりである. 1)プラテン上の圧力分布は中央部が高く,端部にいくほど低くなる.CFDによる結果は実際の圧力分布と定性的に一致しており,最適な圧力分布をもつプラテンの設計・製作に有用である. 2)被削材の仕上面粗さは研削初期に急速に小さくなり,その後一定値(Ra30nm)に近づく.
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