研究課題/領域番号 |
17560121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
設計工学・機械機能要素・トライボロジー
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐木 邦夫 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 教授 (00299398)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | オイルフィルムシール / ロッドシール / 弾性流体潤滑 / 油圧シリンダー / 加振機 / 有限要素法 / 浮動リング / 逆くさび形状 |
研究概要 |
オイルフィルムシール(浮動ブッシュシール)は圧縮機などの高速回転軸シールや高圧の油圧装置の往復動軸のシールとして用いられている。本研究は後者の、主に油圧シリンダーや加振機のロッドシールを対象としている。 シールリングの外周面には高圧の作動油が作用するために、リングは収縮変形し、ロッドとのシールすきまは減少する。したがって、リングの収縮変形を考慮し、シールすきまを精度良く予測することが設計上重要となる。 リングの内、外周面に作用する圧力によるリングの変形解析とシールすきま内の流体潤滑解析とを連携させた弾性流体潤滑計算プログラムを開発した。弾性変形解析には、単位圧が作用した揚合の変形影響係数マトリックスを、流体解析には有限要素法を用いている。 本計算法を用いて、シール性能(最小すきま、漏洩油量)におよぼす油圧、リングサイズ、リング材料、加工すきまなどの影響を明らかにした。とくに軸が高速で作動する場合には、シールすきま内に負の動圧が発生するために、すきまが零となる限界速度が存在することを示した。この限界速度を高める対策として、リングの内面に段差を設けた段付リングが有効であることを示した。 ポリアミド樹脂リングを用いた実験を行い、上記予測法の精度を検証した。漏洩油量は作動油圧が低い領域では、作動油圧と共に増加し、最大値を有し、さらに作動油圧がたかくなると、漏洩油量は減少する。この実験結果は計算結果とほぼ一致し、シールすきまの大きさの予測精度は良好であると判断される。また、圧力によるリングの変形と共に、リング材と軸材の練膨脹係数差に伴う、熱変形も重要であることがわかった。 往復動速度の増加に伴い、シールすきまが減少する現象は、装置の往復駆動力不足のために、定量的に明らかにすることはできなかったが、段付リングはすきま減少対策として、有効であることを漏洩油量の計測結果から示した。
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