研究概要 |
LPAフィードバック発振流量センサはLPA(層流形比例増幅素子)の入力ポートと出力ポートを流路(フィードバック流路)で接続し,流体の発振現象により流量を測定する流量センサである. この流量センサは低レイノルズ数すなわち流量の少ない層流域のもとで作動するため,従来の流量計では測定できなかった小流量を測定できる効果を有する. 本研究ではLPAとフィードバック流路の形状を同一平面状に設けた新たな構成の流量センサを多数作製し,発振周波数と供給流量の特性実験を行った.尚,形状はワイヤカット放電加工機を用い精密に行った. 実験の結果,判明した主な点は次の通りである. 1)フィードバック流路を同一平面上に加工することにより流路の断面積が小さく加工でき,この狭い流路は流れが乱れることを抑制する効果を有する.小流量を測定できるLPAフィードバック流量センサが作製できた. 2)最小測定流量は主ノズル幅bs0.3mm,板厚h0.3mmの寸法の流量センサで,0.7cc/sが得られた.ノズル幅bsを小さくすれば,発振下限となる流量値は低下するが,流路の流体抵抗が大となるため限度がある. 3)フィードバック流路での信号伝達時間は、フィードバック流路の形状に大きくに影響を受ける。そのためフィードバック流路を同一平面上に加工することは測定範囲が拡大する利点がある。フィードバック流路の伝達時間は発振周波数の約20%を占めている. 4)入力ポート内,出カポート内での伝達速度はフィードバック流路の伝達速度に比較しかなり小さい.発振周波数の約10%程度である. 5)供給ノズルからスプリッタまでの噴流の到達時間は発振周波数の約60%を占めている.発振周波数の算定ができた.
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