| 研究概要 |
顧客ニーズの多様化による多品種少量生産が進むにつれ,サプライチェーンマネジメント(以降,SCM)やバーチャルエンタプライズ(以降,VE)と呼ばれる新しい企業形態が現れ,世界的にその実現のための技術・方法論の確立にむけて積極的な研究開発が始められている.そこで本研究では,このような次世代VE環境下における生産・在庫管理手法を提案するとともに,本格的な生産管理システムを実装した計算機環境を構築し,計算機シミュレーションを利用しながら実証的に提案法の有用性を明らかにすることを目的としている.
この中で本年度は,昨年度に進めたものをベースに,その対象を実規模のVE環境にまで拡大し,社会的集団の概念に基づいたマルチエージェント型生産・在庫管理手法の提案,およびそのコスト指標による有効性を検証し,提案する方法論の実際の生産・在庫管理システムにおける有効性について検証した.具体的には以下の項目に取り組んだ.
1.VE環境下における生産・在庫管理手法の定式化に関する研究
2.生産・在庫管理手法のコスト指標に関する研究
3.性能評価モデルの構築
4.性能評価モデルの高機能化
5.生産・在庫管理プロトタイプシステムの開発
以上の結果,製品コストを指標とするような新しい生産・在庫管理方式についてその有効性の確認を行い,さらに経営学分野で最近提唱されているABC(Activity Based Costing)法と生産・在庫管理手法との統合化に関する方法論の具現化を実践することができた.
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