研究課題/領域番号 |
17560260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮内 肇 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20181977)
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研究分担者 |
喜多 敏博 熊本大学, 総合情報基盤センター, 准教授 (20284739)
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10190620)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,930千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 電力自由化 / 電力市場 / 市場価格 / 回帰分析 / 時系列データ / Chow検定 / 系列相関 / カオス / Cochran-Orcutt法 / Newey-Westの修正 / コールド温度 / 制度設計 / WTI原油価格 |
研究概要 |
電気事業が規制緩和され、世界諸地域で電力市場が開かれている。本研究では、電力前日市場の市場価格データに対し、24時間前の電力市場価格や電力需要などを説明変数とする回帰式による分析と、カオス性解析を行い、その解析結果を元に、電力価格の決定要因や世界諸地域の市場間での相違などに関する検討を行った。 まず昨今の原油高騰の影響を明らかにするために、電力需要・1日前の電力平均価格・WTI先物価格を説明変数とする回帰式を構成し検討した結果、原油価格が高騰し始めた2004年11月頃から05年後半にかけて、原油価格の影響が大きいことを明らかにした。また、電力需要は季節変動することから、1年間をピーク、オフピークの4期聞に分けた回帰式を構成し、Chow検定により構造変化を起こす時点を明らかにした。さらに、米国東部のNew England電力市場の冬ピーク期は強い冷え込みのために当てはまりが良くない傾向にあるため、新たに気温や気温関数を説明変数に加えることで、回帰式の当てはまりが改善されることを示した。しかし、このような自己回帰過程では、誤差項の系列相関や不均一分散が考えられるため、Cochran-Orcutt法でモデルの推定に非線形最小二乗法を用いて推定し、さらに、Newey-Westの修正を適用して、誤差項の系列相関や不均一分散に対し頑健なt値を計算し直した。この結果、説明変数の有意性を誤差項の系列相関や不均一分散を考慮しない場合には過大評価していたが、有意性そのものには問題がないことを確認した。最後に、日本卸電力取引所JEPXのシステムプライスに対し、非線形解析であるカオス解析も試み、埋め込み、フラクタル次元、リアプノフ指数などを算定した。その結果、現時点ではカオス性の具体的な存在は証明できないものの、その存在可能性を示す結果を得ることができた。
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