研究概要 |
本研究では,小形軽量・長寿命・メンテナンスフリーを目的に,ダイオード整流回路を用い,直流部にアクティブフィルタ機能を併せ持つフライホイール式UPS用の電解コンデンサレス単相主回路構成を提案した。本研究では,入力力率98%以上・出力電圧変動率3%以下・出力電圧歪率5%以下を達成する制御手法についてシミュレーションを介して開発するとともに,フライホイールエネルギー貯蔵シミュレータを用いた試作機を製作し,実験を通して実証した。 研究開発する電力変換器,(1)ダイオード整流器を活用している。(2)電解コンデンサを用いず直流電圧は電源に同期して変動する。(3)直流部にアクティブフィルタ機能とエネルギー源の充放電制御の機能を併せ持つフライホイールエネルギー貯蔵回路が接続されている。の特長を有している。 本研究の結果および意義は上記の特長を踏まえ以下のようになる。 (1)(1)(2)より小形軽量化を達成でき,出力側電力変換器のスイッチングを基本波と同期して行うまで激減でき,スイッチング損失の大幅な低減による効率向上と出力フィルタの大幅な小型化が期待できる。 (2)フライホイール付きPM電動発電機の速度起電力の影響から出力電圧に歪みが生じるが,弱め界磁制御で補償効果が得られることを確認した。 (3)(3)により98%以上の入力力率制御とエネルギー源の充放電制御を一つの回路として構成でき,低価格と小形軽量化が期待できる。 (4)(1),(2)より従来の2/3以上の小形軽量化と3〜5%の効率向上が期待でき,直流電圧変動と直流部アクティブフィルタ機能という新しいスタイルのUPS回路の普及が図れる。 (5)バッテリーおよびスーパーキャパシタ式UPSにも活用可能な電力変換器で,小形高効率化の従来にないアプローチを可能にできる。 以上,UPS用電力変換器としての基本制御手法の開発を行ない,所期の目的を達成した。
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