研究課題
基盤研究(C)
現在作成可能な最低電子濃度(4.8×10^<17>cm^<-3>)から超伝導を示す最高電子濃度(4.5×10^<20>cm^<-3>)までの範囲にあるInNの磁気抵抗の温度依存性を室温から20mKの範囲でフランス・グルノーブルの強磁場研究センター(GHMFL)にて測定した。明確なフェルミ面をもつInNも、超伝導に相転移することが明らかになった。臨界電流Jcは印加磁場に指数関数的に数桁にわたって依存することが分かった。このことはInNの超伝導電流が微細ジョゼフソン接合による臨界電流であることを意味する。InNの超伝導状態の渦糸構造は高温層状超伝導体と同様、熱揺らぎと印加磁場により融解することが分かった。すなわち、InNの超伝導はa-b面内の金属Inが作り出すジョセフソン結合型の超伝導であり、超伝導を発生している領域は常伝導状態のInN中に島状に存在していると結論した。この島の大きさは30nm以上であり、ウルツ鉱構造の逆ドメイン構造によって区分けされていると考える。このサイズが30nm以下のとき、a-b面内に局在した電子構造を発生させ、SdH振動が観測される。したがってInNの伝導帯は半導体としての等方的なフェルミ球のほかに、a-b面に広がった金属的なフェルミ面が存在する。以上の実験結果を基にして、InNの超伝導発現の機構を提案した。すなわち、有限な長さをa-b面上に持つ半導体結合に預からないIn原子鎖が半導体InN中に存在し、その大きさがコヒーレンス長を超えると、InNは超伝導に転移するというモデルを提案した。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (19件)
Phys. Stat. Sol. (c) 4
ページ: 660-663
AIP Conf. Proc 893
ページ: 137-138
Phys.Stat.Sol. (c) 4
AIP Conf.Proc. 893
ページ: 137-137
IOP Conference Series 51
ページ: 279-282
Science and Technology of Advanced Materials 7
Phys. Stat. Sol. (a) 203
ページ: 80-84
Phys. Stat. Sol. (c) 3
ページ: 1671-1674
Phys. Stat. Sol. (b) 243
ページ: 1679-1686
Phys.Stat.Sol. (a) 203
Phys.Stat.Sol. (c) 3
Phys.Stat.Sol. (b)243
Science and technology of Advanced Materials 7
Phys.Stat.Sol.(a) 203
ページ: 80-80
Phys. Rev. B 72
ページ: 85210-85210
Phys.Rev. B72
Phys.Rev.B 72