研究課題/領域番号 |
17560303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
馬 哲旺 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40282909)
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研究分担者 |
小林 禧夫 埼玉大学, 地域共同研究センター, 客員教授 (00008830)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 無線通信 / 高温超電導体 / マイクロ波 / フィルタ / マイクロストリップ線路 / コプレーナ線路 / 超広帯域 / マルチバンド / コンポジット共振器 / 移動体通信 / 低損失誘電体基板 |
研究概要 |
本研究では移動体通信への応用を目指して、小形、低損失で高性能な高温超電導(HTS)マイクロ波フィルタの新しい構造を提案し、その設計、試作および特性評価を行う。同時に飛び越し結合を持つ多段複雑なフィルタ回路の設計手法を開発する。さらに超広帯域(UWB)や多周波数共用など今後の無線通信システムへの応用を目的とし、超広帯域およびマルチバンドフィルタの設計理論と手法に関する基礎研究を行う。まずマイクロストリップ(MSL)スパイラル共振器の共振特性および結合特性を詳しく検討し、中心周波数1.93GHz、比帯域幅2%の3〜10段の帯域通過フィルタ(BPF)を提案、設計した。その結果、フィルタのサイズが従来のものに比べ、1/10以下となった。試作したフィルタは所望の低損失と広い阻止域特性を示した。また飛び越し結合を持つ3〜10段のCT(cascaded trisection)形フィルタ、CQ(cascaded quadruplet)形フィルタを設計し、非常に急峻な準楕円関数形フィルタ特性を実現した。 一方、コプレーナ線路(CPW)構造を用いたフィルタは、高価なHTS薄膜を誘電体基板の片面にのみ施すため、両面製膜のMSL構造より非常に経済的である利点を持つ。本研究では、中心周波数5.0GHz、通過帯域幅160MHzの5段CPWインターディジタル形BPF、CPWスパイラル共振器を用いたBPFをそれぞれ提案、設計、試作し、測定評価を行った。通過域内の最小測定挿入損失は約0.12dB、リターンロスは約20dBの優れた周波数特性を得た。 次に、複数の共振周波数を持つコンポジット共振器とそれを用いたマルチバンドBPFの等価回路および設計方法を開発した。マイクロストリップ線路で複数のデュアルバンドおよびトリプルバンドBPFを設計、試作し、所望のフィルタ特性を得た。また飛び越し結合を利用しない新しい有極形フィルタの設計手法として、コンポジット共振器とステップインピーダンス共振器(SIR)を併用したフィルタ構造と設計法を提案し、急峻な周波数選択性と広い阻止域を併せ持つフィルタを実現した。 最後に、マイクロストリップステップインピーダンス共振器およびリング共振器を用い、3.1-10.6GHz用のUWBフィルタおよび22-29GHzの準ミリ波帯用のUWBフィルタを設計試作した。研究報告がまだ非常に少ない準ミリ波帯用のUWBフィルタの設計および日本のLow Band用のUWBフィルタの設計にも、それぞれ概ねFCCの基準と日本の基準を達成した特性を得た。 これらの研究成果を電子情報通信学会英文論文誌等に雑誌論文5件、IEEE MTT-Sマイクロ波国際会議、Asia-Pacific Microwave Conference等の国際会議プロシーディングスに論文9件、電子情報通信学会全国大会やマイクロ波研究専門委員会の研究会における講演と研究報告24件、計38件で発表した。
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