研究概要 |
本研究では,効率的で実用的な大規模集積回路の大域的求解法の開発とその応用・実用化を目的として,以下のような研究を行った。1.LSI設計における大きなボトルネックとして世界中の設計者を悩ませていた非収束問題に対し,可変利得ニュートンホモトピー法などの非常に効率的なホモトピー法を開発し,更にこれらの方法をSPICEに簡単に実装する方法を提案し,IEEE Transactions on Circuits and System等の国際誌で発表した。2.LSI設計における重要な未解決問題として知られる「大規模非線形回路のすべての解を求める問題」に対し,非常に効率的で実用的なアルゴリズムを開発し,大規模非線形回路の全解探索を世界で初めて実用時間内で行うことに成功した。この研究はBIT-Numerical MathematicsやInternational Journal of Circuit Theory and Applications等の国際誌で発表した。なおこの研究により国際会議IEEE ICCCAS2007で最優秀論文賞を受賞し,また15th IEEE NDES等で招待講演を行った。3.オリジナルの方法論であるSPICE指向型解析法に関する研究を幅広く行い,SPICEに簡単に実装できる様々な回路解析法を開発し,それによりSPICEの機能を大幅に拡張した。この研究についてはIEEE NCN2007,電子情報通信学会,OR学会等で招待講演を行った。4.集合値写像の概念を用いた非線形回路の新しい感度解析法を開発し,Journal of Circuits,Systems,and Computers等の国際誌で発表した。
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