研究課題/領域番号 |
17560398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
制御工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩井 善太 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (40026109)
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研究分担者 |
水本 郁朗 (水本 郁郎) 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (30239256)
公文 誠 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (70332864)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PFC / モデルベースPFC / 概強正実性 / 出力フィードバック制御 / PID制御 / 適応PID制御 / スライディングモード制御 / マルチレート制御 / 並列フィードフォワード補償器 / ASPR / 受動性 / PID / 適応PID / スライティングモード制御 / 出力フィードバック / 単純適応制御 / 周波数領域 / 音場制御 / バックステッピング制御 |
研究概要 |
オブザーバの使用を前提とした制御系構成は、理論的には完成度が高いものの、実際に適用する場合には、次数及びプラントパラメータに関する同定の精度が要求される。この点を緩和するため、プラントのASPR性(概強正実性)を利用することが、特に適応制御の分野でこれまで考えられてきた。この場合、プラント情報に関し、強正実性(より広範には受動性)というどちらかといえば周波数領域での性質が重要となるので、それが滴たされる限り同定の精度はさほど必要でなくなり、かつ、出力フィードバックで制御系の安定性が保証できることになる。この場合、PFC(並列フィードフォワード補償器)は、多くの場合ASPRでない実際のプラントにASPR性を付与する重要なファクタとなる。本研究では、このようなPFCの重要性に着目し、これまで単純適応制御と呼ばれる狭い分野でのみ注目されてきたPFCをより一般の広範な制御系設計に適用することを目的としたものである。 ここでは、実用性の上で広範な需要のあるPID制御系及びスライディングモード制御系設計にPFCを適用することについて中心的に検討した。本研究では安定なPID制御系を実現することがPFCの導入で可能なことを示し、かつその結果がトラッキングPID制御にも容易に拡張できることを示した。また、プラントの特性がわからなくても、適応PIDの形式で上述の結果が保証されることについて示した。さらに、このような結果が、これまで難しいとされてきた多入出力PID制御系設計にも容易に拡張できることを示した。つぎに、出力フィードバックによるスライディングモード制御系がPFCの導入で容易に構成できることを示し、実用的観点から大きな成果を得た。 それ以外では、PFCを用いるサンプル値制御系、バックステッピング制御をPFCを用いることで常に一段階で完了させる制御系構成、音場制御への応用について実際の音場フィードバック制御を周波数領域上で設計する方法にPFCを応用することの検討、などについて考察を行った。なお、PID制御は通常プロセス制御を対象とすることが多い。上記報告の多くも、実際にプロセス制御実験装置で検討した結果を含んでいるが、その際に、必要なステップ応答から精度よく制御対象の伝達関数を同定する手法も開発した。上述の結果の全てあるいは一部はすでに学会論文誌、査読付国際会議プロシーディングスで報告している。
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