| 研究概要 |
静的荷重下におけるポリマーセメントモルタルの付着強度について、基盤コンクリートの粗骨材最大寸法とはつり深さを変数として実験を実施した。基盤コンクリート表面の粗さについては,表面積変化率およびJISの粗さパラメータにより評価を行い,粗さが引張付着強度とせん断付着強度に与える影響を検討した結果,以下のことが知見として得られた。
・同じ表面処理深さにおいて,ウォータージェット工法による表面は,ショットブラスト工法よる表面に比べて2倍程度以上の粗さとなる。
・表面粗さをJISの粗さパラメータを尺度とすることで,引張付着強度およびせん断付着強度を連続的に評価することができる。
・引張付着強度については,算術平均粗さが1.1でピークとなり,さらに粗さが増すと低下していく傾向がとらえられた。せん断付着強度については,粗さが増加するにつれてわずかではあるが単調に増加する傾向が見られた。
・引張付着強度およびせん断付着強度について,基盤コンクリートの表面粗さの影響を取り入れた強度算定式を構築した。
さらに,下面増厚補強された道路橋床版増厚部の剥離の予測方法を構築するために,応力レベルを変数として疲労荷重下における付着強度試験を実施し,ポリマーセメントモルタルの付着破壊に対する疲労寿命の検討を行った結果,以下の知見を得た。
・応力レベルによる疲労寿命の予測式として,応力振幅と最小応力で関係付けられるGoodman型を適用した場合は,引張付着とせん断付着ともに式中の係数Kは20程度となった。
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