研究分担者 |
田村 亨 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80163690)
後藤 芳彦 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20221252)
前田 潤 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90332478)
吉田 英樹 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (70210713)
廣井 修 東京大学, 大学院情報学部, 教授 (80092310)
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研究概要 |
本研究では火山災害を対象として,まず,米国と英国の市民安全対策(Civil Defence)計画の実態を把握し,計画運用を支える組織運用,情報処理・対応プログラムの側面について,我国への適応可能なシステムの素案を提示した.次に,1978年と2000年の有珠山噴火を対象として,防災先進自治体である虻田町を事例とした地域ITSによる火山減災の情報処理・対応プログラムを構築してその実効性を検討し,組織運用を含めた危機管理体制を実現化するための市民安全対策としての火山減災情報支援システムのガイドラインをまとめた. 具体的には以下の4つのことを行った。 I.事前準備,応急対策,復旧・復興対策の各段階において,防災関係機関間での情報共有および市民に対する情報発信を効果的に行なうための情報収集・集約・発信のシステムの構築を行った. II.火山情報のあり方,情報収集・伝達のあり方についての災害対応プログラムの構築を行った. III.米国と英国の市民安全対策(Civil Defence)計画の実態を把握し,計画運用を支える組織運用,情報処理・対応プログラムの側面について,我国への適応可能なシステムの素案を提示した. IV.有珠山噴火を対象として,防災先進自治体である虻田町を事例とした地域ITSによる火山減災の情報処理・対応プログラムを構築してその実効性を検討し,組織運用を含めた危機管理体制を実現化するための市民安全対策としての火山減災情報支援システムのガイドラインをまとめた. 本研究の独創的な点は3つある.1つめは,学際研究である点で,自然科学・工学・社会科学の分野から研究者が集って行ったこと.2つめは,火山災害の減災を対象としている点で,従来軽視されてきた「減災」力を,危機対応システムとして整備したこと.3つめは,地域ITS技術を応用して市民とともに安全対策計画を構築している点である.研究の結果と意義は,ガイドラインの作成によって,タテ割りの弊害が指摘される我国の防災体制に対して構造改革を迫り,関連機関間の総合調整と市民との協働のあり方を提案できた.
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