研究概要 |
新規プロセス"二溶液法"を提案し、"(1)高規則性粒子積層膜の2次元パターニング"および、"(2)粒子球状集積体の作製およびパターニング"を行った(下記に詳細を記載)。また、粒子集積化技術、粒子パターン化技術をさらに発展させ、自己組織化単分子膜を用いた粒子膜の液相パターニングや、ナノシート粒子の合成、粒子の形態制御等を実現した。 (1)SiO_2粒子をメタノール中に十分に分散させ、シラノール基領域とオクタデシル基領域にパターン化されたパターン化自己組織化単分子膜(SAM)上に滴下した。コロイド溶液はOTS-SAM領域から十分にはじかれ、親水性シラノール基領域に沿ってパターン化した状態となる。その後、コロイド溶液内のメタノールが外相のヘキサン中へと徐々に溶解し、コロイド溶液の体積を徐々に収縮させていく。このプロセスでは、親水性/疎水性パターン化SAM上に形成されるコロイド溶液パターンを、粒子集積化の鋳型として用い、コロイド溶液の収縮および乾燥末期のメニスカスカによりfcc(hcp)化・最密充填化を進行させ、高いパターン精度・高規則性を有する粒子集積体パターンを作製した。 (2)疎水性OTS-SAM上にSiO_2粒子分散溶液を滴下し、ヘキサン中に浸漬した。水が外相のヘキサン中に溶解することにより、コロイド溶液の液滴を収縮させ、3,5,6,8個といった少ない粒子数の集積体(粒子クラスター)から、数百個、数千個におよぶ粒子数の粒子球状集積体まで作製することに成功した。また、SiO_2粒子分散エタノールを、疎水性領域と親水性領域を有するパターン化SAM上に滴下し、デカリン中に浸漬した。親水性領域に沿ってコロイド溶液のパターンが形成された。エタノールが外相のデカリン中へと溶解することにより、粒子集積体が形成されていき、パターン化SAM上のシラノール基領域中心部分に、ドーム状の粒子集積体が形成された。これにより、パターン化SAMに沿って、粒子球状集積体パターンを形成することに成功した。 本研究では、粒子の自己組織化により高い規則性を持つ粒子集積体を作製するともに、粒子を自在にパターニングする手法を開発した。これらのプロセスには、自己組織化単分子膜、粒子の集積化、自発的2次元パターン化といった、いくつもの自己組織化プロセスが含まれており、新規性・独自性が高いとともに、次世代に向けて更なる発展が期待される。
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