研究分担者 |
大山 英典 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (80152271)
葉山 清輝 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (00238148)
紫垣 一貞 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (50044722)
博多 哲也 熊本電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (60237899)
高倉 健一郎 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (70353349)
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研究概要 |
本研究では,宇宙空間などの放射線環境下での先端デバイスの利用を想定した照射損傷の調査を行った.高温でも動作するデバイスを目指した,ワイドバンドギャップのSiCを用いたショットキーダイオードについて,電子線照射を高温(150℃,250℃)で行い,室温照射との比較を行った.電子線10^<16>cm^<-2>照射までは逆方向電流特性には変化は無く,10^<17>cm^<-2>照射で増加した.順方向電流特性は照射による基板抵抗増加による影響で減少した.また,DLTS測定で,照射により現れた3つのキャリア捕獲準位の密度に照射量依存性がみられた.高温照射では室温照射に比べ,デバイス損傷が少なくなることがわかった.高温照射ではアニールの効果で損傷の導入と消失が同時に起こっていると考えられる. Siフォトダイオードを用い,-30度での中性子(平均エネルギー4MeV)照射によるデバイス特性を.暗電流特性の変化,およびDLTSによる空乏層中の欠陥に関する電子捕獲準位について比較した.高温照射では照射により生じる格子欠陥と高温の作用によるアニールでの特性回復が同時に起こるのに対し,低温照射ではアニールの効果が少ないためより電気的特性の劣化が激しいことがわかった. 高移動度を目指した歪みSiGe材料を用い,周囲長と接合面積の違うダイオードを用いて電子線照射による損傷を調べた.逆方向電流の照射前後の変化を調べるとわずかだが面積依存性のほうが大きいことから,主に損傷はバルクの格子欠陥が担っていることがわかった. SiCを用いたMESFETの電子線,陽子線照射による損傷を調べた.10^<17>e/cm^2の照射量でもコンダクタンスの変化は18%程度とSiデバイスに比べて耐放射線性に優れていることが確認された.
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