研究課題
基盤研究(C)
以下に、本研究にて得られた成果の要約を示す。1.表面ナノ結晶層形成のためのショットピーニング(SP)条件ナノ結晶層の厚さは、ショット材の運動エネルギーが高い条件ほど厚く形成する。具体的には、ショット速度が速いことやショット速度が同じでもショット粒径が大きいことが望ましい。しかしながら、ショット粒径が小さいほど、ナノ結晶粒組織は表面に均一に形成する。また、ショット材の運動エネルギーが小さくても、カバレージ(処理時間)を大きく(長く)することで、ナノ結晶粒組織が形成する。ショット材の硬さは試料の硬さより硬い必要がある。2.強ひずみ加工による結晶粒微細化における歪勾配の役割SPにより、試料表面に相当歪5(圧延)以上の変形が与えられていることと、試料表面から内部にかけて著しい歪勾配が付与されていることが、組織観察の結果より分かった。HPT(High-Pressure Tbrsion)加工では歪量と歪勾配を分離して調査することが可能であるため、HPT加工により歪勾配の結晶粒微細化に及ぼす影響を調査した。Fe-0.03mass%Cにおいて、歪勾配の付与のみでHV3.3GPaの硬さが得られた。これは、圧下率97.6%(相当歪4.3)で得られる2.4GPaに比べて極めて高い値であり、歪勾配の付与が結晶粒微細化に寄与することを示す。3.強ひずみ加工による結晶粒微細化に及ぼす加工発熱の影響SPは加工(ショットの衝突)が断続的に起こり、各加工の間で導入された転位の再配列・消滅(回復)が加工発熱により起こると考えられる。そのような組織変化が結晶粒微細化に及ぼす影響を調べるため、Fe-0.03mass%CにHPT加工と400℃の熱処理を繰返し行った。その結果、断続的な加工中の転位の回復や結晶粒界の安定化が、結晶粒の微細化に有効に働くことが分かった。
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