研究概要 |
次世代核燃料再処理用の新開発Nb-5%W合金の高性能・高信頼な溶接/接合技術を開発することを目的として,同合金の溶融溶接性を評価するとともに,直接接合およびTaインサート材を用いたステンレス鋼SUS304ULCとの異材接合性を評価した. Nb-5%W合金TIG溶接部では,50HV程度の硬さ低下が生じ,TIG溶接継手の引張強さは300MPa程度にとどまった.一方,Nb-5%W合金の電子ビーム溶接継手ではHAZ軟化が抑制され,強度低下を改善することができたが,上部・下部棚エネルギーは母材よりかなり低く,延性脆性遷移温度も約70K上昇した. Nb-5%W/SUS304ULC固相拡散接合界面では反応層が生成し,SUS304ULC側ではFe_2Nb, Nb-5%W側ではFeNbとFe_7Nb_6が確認された.反応層の成長は放物線則に従い,反応層厚が8μm程度において接合強さが最大となり約200MPaを示した. Nb-5%W/Ta/SUS304ULC固相拡散接合継手では,Nb-5%W/Ta界面では明確な反応層は認められないが,Ta/SUS304ULC界面ではTaFe_2とTaCr_2を主成分とする反応層が確認された.Nb-5%W/Ta/SUS304ULC接合継手の引張強さは最大で250MPa程度となった. Nb-5%W/SUS304ULC爆発接合界面には特有の波状起伏が観察されたが,接合界面における硬化はほとんど生じず,界面生成相の生成もごく軽微であった.一方,Nb-5%W/Ta/SUS304ULC爆発接合では,Nb-5%W/Ta接合界面において両母材が強制混合された固溶体が生成したが,硬化の程度はわずかであった.Nb-5%W/SUS304ULC, Nb-5%W/TaおよびTa/SUS304ULC爆発接合継手に対しせん断試験を行ったところ,Nb-5%WおよびTa母材で破断し母材と同程度の強度が得られた.
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