研究課題/領域番号 |
17560656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
石川 信博 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主任研究員 (00370312)
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研究分担者 |
木村 隆 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主席研究員 (70370319)
稲見 隆 茨城大学, 工学部, 講師 (20091853)
渡邉 義見 (渡辺 義見) 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50231014)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / ウスタイト / ライム / アルミナ / 界面 / 酸化アルミニウム / 二酸化ケイ素 / 炭素蒸着 / 酸化カルシウム / ヘマタイト / 固体接触技術 / その場解析 / 化学反応 / 酸化鉄 / 試料作製技術 |
研究概要 |
本研究では固体同士の化学反応をTEM内で直接観察する方法を開発することを目的とした。実際に扱った材料は酸化鉄であり、これを炭素によって直接還元させることを試みた。この反応は高炉製鉄法で鉄を作る際に最も重要な反応の一つであり、気体による還元機構の研究は数多く行われてきたが、固体炭素による直接還元はTEM試料作製法が無かったためこれまで解析されてこなかった。本研究で酸化鉄の劈開面に対し、炭素蒸着を利用することで酸化鉄との接触面を作り、これをTEM内で高温で保持してその反応形態を観察した。通常バルク試料の実験では酸化鉄/炭素界面から還元による二酸化炭素などが発生してこの圧力で界面が剥離し、固体同士の反応はすぐ終わってしまうが、TEM試料は薄膜でため、気体が発生してもすぐ表面に到達して外界に出て行くので長時間の観察が可能となった。これまでにウスタイト(FeO)を中心として種々の材料について実験を行ったが、いずれも酸化鉄/炭素界面から炭素側へ析出物が発生成長することが確認できた。またこの析出物内には常に鉄が含まれており、酸素が微量しか検出されないことから、鉄原子が容易に還元され炭素内に拡散することが確認できた。さらに、添加物や鉱石中の脈石成分のうち代表的なライム、アルミナなどを添加したウスタイトについても同様の実験を行った。その結果こういった不純物を含ませるといずれも含有濃度が上がるほど鉄析出物の生成を抑制し、反応性自体が著しく低下するという結果を得た。この結果は、不純物原子が鉄の移動に対してバリアの役目を果たすことが判明した。また、この方法が他の材料による、異種材料接合界面のTEM解析法にも応用できることを確認した。
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