研究概要 |
1.「非定常混合場の評価方法の確立と評価」について 空気-水素超音速混合層の混合状態の瞬間的な評価を行う方法を提案し,種々の噴射形状から得られる混合層に対して適用し,その有効性を示した。特に,噴流同士を衝突させることや,キャビティー内から燃料を噴射することで,混合が促進させることが出来ることが明らかになった。次に,水素の代替としてヘリウムを用いることを考え,超音速混合場において高い時間分解能を持ち、混合気体(ヘリウム)の濃度と質量流束の時系列同時計測可能な2線式熱線流速計による混合評価手法を提案し,その基本特性を明らかにした。その結果,流れの質量流束と濃度を分離して,その時間変動が測定可能であることを示した。したがって,本手法が超音速混合場の混合評価に有用であることを明らかにした。 2.「縦渦を用いた混合促進法の提案」について 申請者らは,超音速流中の縦渦の崩壊を積極的に混合機構に適用しようと提案している。本研究では,縦渦の挙動をPIVとシュリーレン法による可視化により超音速流中の縦渦の挙動を明らかにした。PIV計測により,流れ場の循環の値が縦渦の崩壊に伴い減少することを見出した。これは,大規模な縦渦が崩壊し,より小さな乱流渦になったためと推測される。 3.「超音速蘭境界層の遷移現象について」 超音速混合問題と超音速境界層の乱流遷移には,縦渦の崩壊などのアナロジーが存在するので,超音速風洞壁の超音速境界層の乱流遷移機構を数値的に詳細に調査した。その結果,風洞角部から発生した縦渦の乱れは流れに直角方向に拡大し,乱流斑点を形成し,その臨界遷移レイノルズ数は横流れ不安定で求まるものとほぼ一致することを見出した。
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