研究課題/領域番号 |
17560698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (20252794)
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研究分担者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学部, 助教授 (10216806)
岡本 昭夫 大阪府立産業技術総合研究所, 情報電子部, 主任研究員 (20359376)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 宇宙環境 / 低地球軌道 / 原子状酸素 / 紫外線 / 極端紫外線 / FBP / 複合環境 / エロージョン / テフロンFEP / 複合照射効果 / 紫外線フリー原子状酸素 |
研究概要 |
本研究は熱制御材として宇宙構造体の表面に使用されており耐紫外線性の低いテフロンFEPについて、低地球軌道環境における原子状酸素および紫外線の複合照射効果を地上実験で定量的に解析することを目的とするものである。以下に本研究で得られた結果を示す。 (1)原子状酸素のみ照射した場合、FEPのエロージョンレートは原子状酸素の入射角度に対してIcos則に従うことが確認された。このことは、FEPにおける原子状酸素との反応効率は入射角度に依存しないことを示している。 (2)VUV単独照射において酸素雰囲気下で質量減少を示すポリイミドに対して、FEPではVUV照射のみで質量減少が観察された。VUV入射角度依存性については、入射角度の増加(光量減少)とともにエロージョンレートはリニアに減少することが確認された。 (3)FEPでは原子状酸素とVUVの複合照射効果は観察されなかった。FEPでは原子状酸素照射によって酸素原子が化学吸着されないことから、原子状酸素と紫外線によるガス化反応は互いに独立した反応経路をもつものであることを示唆している。 (4)原子状酸素の影響を排除したN_2ビームからのEUVはFEPの質量減少にはほとんど影響を与えなかった。FEPにおける極端紫外線の効果については予想に反する結果が得られた。本研究の結果は、これまで原子状酸素と紫外線の複合効果として理解されていたFEPのエロージョンが他の反応プロセスに起因する可能性を示唆するものであり、今後詳細な研究が必要である。 これまでの紫外線との複合照射効果の結果に本研究結果を加えることで宇宙用高分子材料の劣化に関する複合環境要因によるシナジェスティック効果について総括的にまとめることができ、宇宙用材料開発のための貴重なデータベース構築に貢献できた。
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