研究課題/領域番号 |
17560703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶海洋工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
越塚 誠一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80186668)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 船体運動 / 粒子法 / 回転角 / クォータニオン / MPS法 / 流体解析 / 自由表面 / 波浪 / クオータニオン |
研究概要 |
本研究の目的は、粒子法を用いて大波高波浪中の船体運動の数値解析手法を開発するとともに、実験との比較をおこなってその手法の有用性を評価することである。それぞれ、以下の成果が得られた。 (1)大波高波浪中における船体運動の数値解析手法の開発 船体の大運動については、クォータニオンを回転角の自由度として採用した。クオータニオンは4変数に1拘束条件が付加されることで3自由度となっており、特異点が無いという利点があり、数値計算に適している。MPS(Moving Particle Semi-implicit)法では流体は流体粒子により、船体は剛体粒子により計算する。流体粒子の運動方程式は、Navier-Stokes方程式に対してMPS法の離散化手続きを経ることよって得られる。船体を表す剛体粒子は、各時間ステップで2段階で計算をおこなうアルゴリズムを開発した。 (2)実験解析 海上技術安全研究所の曳航水槽において大波高規則波を発生させ、一定の速度で前進する模型船の運動履歴および水面挙動の詳細な画像データが得られている。これと同じ条件で3次元粒子法流体解析を実施した。実験結果および従来の線形解析と比較したところ、波長船長比の値が大きくなって船体運動が大きくなると、粒子法の解析では従来の線形解析よりも船体運動が小さくなった。これは実験結果の傾向と良く一致する。打ち込みによって打ち上げられた甲板上の水壊の重量によって、船体運動が抑制されるためである。 以上のように、本研究では粒子法によって船体の大運動と波との連成を解析できる計算手法を開発し、実験との定量的な比較もおこない、当初の研究計画を着実に実施した。本手法は、波浪中での操船のシミュレーション、津波発生時の港湾内での船舶運動の解析、転覆のシミュレーションなど、これまでは解析が難しかった様々な問題に適用できると期待される。
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