研究概要 |
本研究の目的は,舶用ディーゼル機関の故障診断やエンジン制御に適用可能なマネージメントシステムを開発することである.このシステムの特徴の一つは,筒内圧センサに変えて,燃焼室の外側周辺に取り付けられた力,歪み,加速度センサなどからの信号を使う点にある.それは,筒内圧センサでは,使用環境が高温・高圧になるなど過酷なため,耐久性に問題が残されているからである.研究成果をまとめると以下のようになる. (1)単気筒高速ディーゼル機関ではヘッドボルト締め付け力,3気筒中速ディーゼル機関ではヘッドボルト歪み信号を,導出された新たな図示平均圧演算式を適用して処理することにより、IMEPモニタが可能であることが確認された. (2)排気弁のシール面に溝を切って人為的に排気弁シール特性を悪化させた単気筒高速ディーゼル機関の故障診断は,排気温度,IMEP,熱発生率,質量燃焼割合,シリンダヘッド上の加速度により可能であることが分かった. (3)以上の結果に基づいて,1気筒用のマネージメントシステムを試作した.このシステムは,(1)センサ出力信号,TDC信号,CRANK角信号の絶縁部,(2)フィルタ部,(3)IMEP等の燃焼モニタリング部,(4)ゲート制御部,(5)インターロック制御部から構成される. (4)シリンダヘッドとヘッドボルト・ナット間に取り付けたロードワッシャにより検出した力信号を試作マネージメントシステムに入力することにより,排気弁の故障診断が可能となり,試作マネージメントシステムの妥当性が確認された.
|